2026/07/27 学部・学科
心理学科 臨床心理専攻の3年生科目「遊戯・芸術療法」では、遊びや芸術表現を通して人を理解し、支援につながる関係をつくる方法について学んでいます。
今回、学生たちは2回の授業にわたり、描画を中心としたグループワーク「ファンタジーグループ」を体験しました。
最初に行ったのは、指や手を使って描くフィンガーペインティングです。5〜7人ほどのグループで1枚の大きな紙を囲み、話し合いや合図をせずに、色を重ねていきました。
言葉が使えないからこそ、学生たちは相手の手の動きや色の選び方、描く場所、距離の取り方に自然と目を向けます。「自分はどこに描くか」「相手の表現にどこまで近づくか」。楽しい制作の中にも、人と関わるときの遠慮や主張、調整が表れます。
次の授業では、前回の作品にハサミを入れ、切り取った断片を並べ直して、カッティングコラージュを制作しました。自分が描いた部分を誰かが切ることもあれば、自分が他の人の表現を切ることもあります。
切ることには抵抗や迷いも生まれます。しかし、断片を貼り合わせると、元の作品とは異なる新しい世界が現れます。学生たちは、壊すこととつくること、手放すことと組み直すことを、共同制作の中で体験しました。
この授業で大切なのは、作品の上手さではありません。グループの中で、自分が何を感じ、相手にどう合わせ、どのように合意が生まれたのかを振り返ることです。臨床心理では、相手を一方的に決めつけず、その人の表現や関わり方を丁寧に見ていく姿勢が求められます。
心理学科 臨床心理専攻では、理論を学ぶだけでなく、学生自身が体験し、感じ、考える授業も行っています。「人と関わることに関心がある」「こころの支援や子どもの表現について学びたい」という高校生にとって、心理学の面白さと奥深さに触れられる学びのひとつです。
※写真は、授業参加学生の許可を得て掲載しています。掲載写真には複数グループの制作過程・作品を含みます。