2025/08/20 学部・学科
札幌国際大学心理学科臨床心理専攻では、令和7年度の授業「基礎演習」の一環として、約70名の学生が災害への対応や防災行動について学ぶ特別講義を受講しました。本学は札幌市から一時避難所として指定されており、心理学を学ぶ学生たちが地域社会において果たせる役割を考える貴重な機会となりました。
講義では、「避難所での正しい情報共有」「助けを必要とする人への声掛け」「混乱時に落ち着いて行動すること」など、心理学の視点からできる防災行動について考えました。
学生たちは「自分に何ができるか」をテーマに、防災への理解を深めました。
講師として自衛隊の隊員が登壇し、以下のような任務について解説しました。
特に、令和6年度能登半島地震での活動実績について説明があり、1万人以上の隊員が災害派遣に従事したことを紹介。実際に災害派遣を担当した隊員からは、「批判や不安の声を受けることもあるが、それは期待や信頼の証。助け合う心と感謝の気持ちを忘れずに活動している」と語られ、学生たちは強い共感を抱いていました。
今回の特別講義には、本学を卒業後に自衛隊で勤務する卒業生2名も参加しました。
現場で活躍する先輩から、入隊後の経験や災害派遣の実情を直接聞けたことは、学生にとって大きな学びとなりました。在学生にとっては「身近な先輩が地域や社会を支えている姿」を知る機会となり、防災や地域貢献への意識を一層高めるきっかけとなりました。
授業の冒頭には、自らも自衛隊勤務経験をお持ちで、市内の小学校等に“出前講義”の実績のある清田区選出の山田洋聡 札幌市議会議員が登壇し、地域と大学の防災連携について述べました。
また授業の最後には、サカイ引越センターの担当者による講演も行われ、災害時に提供している「段ボールベッド」や「救援物資」など、企業としての防災協力について説明がありました。心理学と生活支援を結びつける視点は、学生にとって新鮮な学びとなりました。
今回の授業を通じて、学生たちは「心理学を学ぶ者として、人を思いやる姿勢と冷静な判断力が防災に不可欠である」と実感しました。本学が一時避難所に指定されていることを踏まえ、今後も地域社会と連携しながら、防災教育や実践的な取り組みを進めていきます。