2021/11/04 学部・学科

コクサイ心理Vol.4発行について

今年4号目のコクサイ心理になります。今年度の記事では、国際大の臨床心理の先生方にインタビューし、それぞれの受け持っている授業の内容などから、心理学の魅力や面白さなどを、皆さんにお届けしていきたいと思っています!今回は、心理学科に在籍しながらも様々な分野で活躍している品川先生と赤城先生にインタビューをしました。ぜひ、ご覧ください!

品川ひろみ先生へのインタビュー

Q1 児童福祉の研究と臨床心理の関係性を教えてください

A1 児童福祉というのは、すべての子どもが健やかに育つことを目的とした取り組みです。私はその中でも、子どもの保育や保護者の支援について研究してきました。具体的には児童虐待や子育て支援などです。実践の中では、臨床心理師の方と一緒に、子どもの相談や対応を考えるなどしているので、心理の専門の方とのつながりが多く、子ども問題について協働しています。


Q2 児童福祉の視点から心理学についてどのように思っていますか?

A2 子どもや保護者の悩みには心理的な要因がとても多いです。実際に対応を考えるときには、子どもの発達の視点などはとても重要です。また、その子どもの状況をアセスメントするには、福祉的な視点だけではなく、必ず心理的な観点を踏まえてアセスメントする必要があります。その点でも臨床心理の視点は重要だと考えています。

Q3 グループワークではどのような技能が身につきますか?

A3 グループワークでは、毎回何らかのミッションを自分だけではなく、他者と協働して取り組むことを繰り返します。それを通して、自分の考えを他者に伝えたり、ほかの人の意見を聞くことを通して、考えの幅を広げることができます。またほかの人と協力して出された課題に取り組むことでどのように課題解決すればよいか、そのなかで自分はなにをすべきか、という役割を意識して取り組むことができます。これらのことはこれからの大学生活だけでなく、社会人になったときにきっと役に立つスキルだと思っています。

赤城由紀先生にインタビュー

Q1 心理学科に在籍したきっかけを教えてください

A1 学生時代、市場調査会社や広告代理店、出版社などでアルバイトをしていました。視聴率調査や広告効果測定、購買調査などに関わり、消費者心理やマーケティング、あるいは調査そのものに関心を持つようになり、心と行動との関係を探求する心理学をより深く学びたいと思いました。様々な現象やトレンドから時代の空気やマインドといった、目に見えないものを感じ取りたいと思っており、20年程前に本学の心理学科開設にあたって、大学の先輩である当時の学科長からお声がけいただきました。


Q2 消費社会論を学ぶことの魅力についてどう思いますか?

A2 私たちは、今、まさに消費社会の中に生きていますが、自分たちの消費しているモノやサービスがいつ頃どのようなニーズから生まれたのか、あるいはなぜ消滅したのかといったことについて、学生の皆さんにはあまり知識がありません。消費社会の変遷やそれに伴う消費者意識の変化を学ぶことによって、現在のグローバル社会の中で消費社会が抱える課題について自分の消費行動と関連づけて考え、生活の中に活かし、自ら世の中を変革させていくという気概を持ってほしいと思っています。


Q3 グループワークではどのような技能が身につきますか?

A3 グループワークでは、メンバー一人ひとりの多様な意見に耳を傾けます。言葉の背景にある言語化できない思いも汲み取らなければいけません。自分と向き合いながら、課題解決の方法を模索していく必要が生じます。社会に出ると、様々な人と仕事をこなしたり、コミュニティに参画したりすることになります。その時にここで学んだことを少しでも活用して、円滑な人間関係を構築し、課題と向き合っていくことができるとうれしく思います。


坂野雄二先生ご講義

臨床心理学の世界では誰もがその名を知る認知行動療法の世界的第一人者「坂野雄二先生」が、2年生の心理実習指導Ⅱのゲストスピーカーとして、10月21日に来学されました。
大変わかりやすい言葉で、臨床の現場における心理職の多職種連携など、大学教育や豊富な現場実践のご経験の中から、そのエッセンスをたくさん教えていただきました。
ご講義が終わっても質問者が列をなし、ご著書にサインを求める方までいらっしゃいました。先生、快く応じていただきどうもありがとうございました。

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